イザと言うときの映像を記録するドライブレコーダーですが、LED信号機を撮影すると機種によっては信号機の灯火が真っ暗だったり、点滅した状態で撮影されるのはご存知でしょうか?
これはドライブレコーダーに限らず、市販のビデオカメラでも同じような現象が起きる場合があるのですが、事故の瞬間を録画するドライブレコーダーで信号機の色がわからないのは致命傷とも言えます。
今回はLED信号機の問題点について解説していきます。
LED信号機の灯火は人にはわからない速度で点滅している
あまり知られてはいませんが、LED信号機の灯火は目に見えない速さで点滅を繰り返しています。その点滅回数は東日本が1秒間に100回、西日本が1秒間で120回というスピードです。
これは電力の周波数(東日本が50Hz、西日本が60Hz)が影響しているからなのですが、あまりに速い速度で点滅しているため人の目では残像効果から終始点灯しているように見えているわけです。
ドライブレコーダーの映像はパラパラ漫画!?
ドライブレコーダーの映像は映画フィルムやパラパラ漫画のように1枚1枚撮影された静止画を連続上映することにより動いて見えています。
そして、1秒間に撮影する静止画の枚数を「フレームレート」と言い、1秒間で30カット撮影するカメラを「30fps」、1秒間で20カット撮影するカメラを「20fps」と表します。
信号機の周期と撮影周期が重なると灯火が映らない!
先程説明したようにLED信号機の灯火は目にはわからない速度で点滅を繰り返しています。一方、ドライブレコーダーも1秒間に数十枚の静止画を撮影しているわけです。
そして、多くのドライブレコーダーの撮影周期は1秒間に30枚(30fps)、西日本のLED信号機の周波数は60Hz(120回の点滅)とフレームレートの倍数になっているため、一度周期が重なってしまうと「信号機の灯火が停電のようにずっと真っ暗」という状態になってしまうことがあるのです。
事故発生の瞬間を録画したドライブレコーダーに信号の灯火が映っていないのは致命傷とも言えますので購入時は注意が必要です。
LED信号機が消える現象を防ぐ方法
LED信号機の点滅周期に左右されない映像を撮影するためには、ドライブレコーダーの撮影周期がLED信号機の周波数の倍数にならなければ大丈夫です。
しかし、多くのドライブレコーダーはビデオカメラのノウハウを採用しているため、LED信号機の問題がクローズアップされた以降も商業電力の周波数に準じて製造されたものが多く出回っています。
最新の機種はLED信号機に影響されないもの(点滅はするが無灯火は避けれる)が多くなりましたが、万全を期すためには27.5fpsなどLED信号機の周波数とフレームレートが同期しないタイプがお勧めです。
※仕様はメーカーHPにてご確認ください。